天翔龍歌

 

 

東の果てより出(いで)

西の果てへと消ゆ

巡りて燃ゆるは日や

霧裂き昇るは龍なり

 

華やぐ町中翔け

栄華の暇に去る

咲(わら)いて薫るは花や

踊りて歌うは鳥なり

 

巡り巡る季節運べ 天翔る焰よ

心焦がす思い纏い 照らすは路か邪か

 

翔けて翔けて散る命は 焰のように

燃えて燃えて果て 塵となるだろう

尽きて尽きて散る鱗は 風に遊ばれ

往いて往いて舞い 天へと還るまで

 

 

 

東の果てより出(いで)

西の果てへと消ゆ

巡りて燃ゆるは日や

霧裂き昇るは龍なり

 

静かな人(と)の跡翔け

零落の暇に去る

奔りて踊るは風や

昇りて照らすは月なり

 

巡り巡る季節運べ 天照らす焰よ

流れ流れてゆく時を 憐れむは人(と)の心 

いざ行け

 

寂びて寂びて消ゆ跡は 刄のように

裂いて裂いて啼く 心を抉るだろう

揺れて揺れて浮く思いは 月夜に願い

喚びて喚びて尚 天へは届かぬか

 

 

翔けて翔けて散る命は 焰のように

燃えて燃えて果て 塵となるだろう

尽きて尽きて散る鱗は 風に遊ばれ

往いて往いて舞い 天へと還りて彼方へ

 

翔けて翔けて照る心は 焰のように

燃えて燃えて今 火輪となるだろう

尽きて尽きて散る命は 風に遊ばれ

往いて往いて舞い 天へと還りて彼方へ

 

翔けて翔けて散る涙は 暁の中

燃えて燃えて落ち 雨となるだろう

晴れて晴れて明く雲間を 風と成り果て

往いて往いて舞い 天へと還るまで