太陽と月のファンタジア

 

 

此処に授かりし光

いつまでも共にあれと願った 

あの日分かたれた光 

月の雲隠れに 陽は憂う 

 

君探しひとり 月なき夜道を

手探りで歩む 心細さに

押し潰されそうになりながら

伸ばした手は空を掴むだけ

 

無慈悲な風は遠く遠くへ

思い出の欠片さえ奪い攫おうとする

偏に願うは遠く遠くへ

消え去りし彼の君に 陽の加護があらんことを

 

手を伸ばして追いかけても

雲に隠れまた届かず

光殺(そ)げば 遥か君は 

僕を赦すだろうか

 

 

 

 

厭われ忌むべきこの身

光であることは許されず

あの日分かたれた運命 

月の雲隠れに 皆笑う

 

異形と連れ立ち 陽の射さぬ道を

潜みながら行く 遠くへ西へ

二度と叶うことがないのなら

自ら絶ち 君を傷つけても

 

望んだ闇は深く深くへ

悲しみの涙さえ隠してしまうだろう

偏に願うは遠く遠くへ

輝ける彼の君に 月の加護があらんことを

 

日陰に伏せ闇夜に付せ

ひとり嘆きひとり願う

忍び紡ぐこの祈りは

君に届くだろうか

 

 

 

 

悲しみを堪え 陽の射さぬ道を

踠きながら行く 遠くへ西へ

たとえこの身報われなくても

それが君の幸せならば

 

 

無慈悲な風は遠く遠くへ

思い出の欠片さえ奪い攫おうとする

哀れな双子は陽と月のように

手をとって 共に地を照らすことはできない

 

 

無慈悲な風は遠く遠くへ

思い出の欠片さえ奪い攫おうとする

偏に願うは遠く遠くへ

消え去りし彼の君に 陽の加護があらんことを

 

幼き日の遠い記憶

今は滲む彼の心に

二度とは届かないと知る

泣いて泣いてそれでもまた

 

手を伸ばして追いかけても

雲に隠れまた届かず

光殺げば 遥か君は 

僕を赦すだろうか